ポケモンカードにおける「エネルギー」はあらゆるワザの根幹。
これを剥がせるカードは、相手の展開を抑制する妨害効果を持つものといえるため、メタカードとして採用されることが多くあります。
今回はその中でも採用頻度の高い「ザオボー」を考察していきます。
Contents
妨害サポート「ザオボー」
相手の場のポケモンについている「ポケモンのどうぐ」「特殊エネルギー」と場に出ている「スタジアム」の中から1枚、ロストゾーンに置く。
「ポケモンのどうぐ」「特殊エネルギー」「スタジアム」から1つを選んでロストすることができますが、メインの採用目的は「特殊エネルギー」のロストです。
その他の特殊エネルギー対策との比較
ザオボーの弱みとして、サポートであることから、サポート権を消費してしまう点が挙げられます。
サポート権を消費してまで採用する意味があるのかどうか?という観点だと、他のメタカードとの比較になります。
改造ハンマー
特殊エネルギーを1枚トラッシュする効果を持つグッズ。
グッズであるためサポート権を残しつつ使えるのが利点。
シンオウ神殿
スタジアムであるため永続性があること、場に残っていれば永続的に効果を及ぼすことがザオボーへの優位点。
「グズマ&ハラ」などのサーチカードに対応しており、グッズよりはサーチ手段に恵まれています。
一方で、他のスタジアムを貼られるだけで容易にロックが解けてしまうこと、「サイレントラボ」「頂への雪道」といった別のスタジアムカードと併用できないことは弱みとなります。
ザオボーの強み
サーチ対象となること
サポートであるおかげで、他のカードで簡単にサーチできます。
カプ・テテフGXでサーチすることが可能です。バトルコンプレッサーで落としてからバトルサーチャーで拾う動きもできます。
エクストラバトルでは速攻型のデッキが多いため、メタカードは相手の動きに合わせて確実に手札に引き込む必要があります。
たとえばレジドラゴとの対面を考えてみます。
レジドラゴにダブルドラゴンエネルギーを貼られてしまうと、次のターンには「りゅうむそう」からの「タイムレスGX」を受けてしまうことになるため、これを防ぐ猶予は1ターンしかありません。
このような、そのターンで相手のエネルギーを剥がさないと負けてしまうというタイミングでちょうど使えるかどうかという点だと、サーチ手段の豊富なザオボーが役立ちます。
バトルサーチャーでの再利用
特殊エネルギーは基本的にデッキに4枚積まれるため、1枚はがすだけでは、次のターンに付け直されてしまい、妨害の役割を果たせないことが多くあります。
ザオボーはサポートであるため、使用後にバトルサーチャーで再利用することが可能。
そのため、バトルサーチャーが多く入っていれば、相手の特殊エネルギーをすべてロストして勝ちにいくプランも検討できます。
ロストによる再利用阻害
ロストされたカードを再利用する手段はないため、ザオボーでロストした特殊エネルギーはその対戦中の利用を阻害できます。
エクストラバトルでは、トラッシュの特殊エネルギーをデッキに戻す「スペシャルチャージ」が存在するため、特殊エネルギーをトラッシュするだけでは一時しのぎにしかなりません。
メロエッタターボやウルトラネクロズマデッキでは、特殊エネルギーを使い回すことを前提としているため、スペシャルチャージが複数枚採用されています。
これらのデッキに対しては、スペシャルチャージの使用を防ぐという点でも、エネルギーをロストゾーンに送ることが効果的に機能します。
腐ることがない
相手が特殊エネルギーを使用しないデッキであった場合、基本的にザオボーを使うことはありませんが、「スタジアム」「ポケモンのどうぐ」をトラッシュできることが対戦で役立つことは少なくありません。
他の対策カードと比べて、刺さらなかった場合の汎用性を備えていることは強みです。
ザオボーの弱み
1枚しか剥がせないこと
ルギアVSTARデッキでは、アーケオス2体から4枚まで特殊エネルギーの加速をできるため、エネルギーを1枚剥がすだけでは何の妨害にもなりません。
また、レジギガスを軸にしたデッキも、レジギガス自身の特性で継続的にエネルギーを補給できるため、ザオボーだけでは力不足です。
このような、エネルギーを複数枚一気に供給できるデッキに対しては、ザオボーだけでは十分な妨害の役割は果たせません。
エネルギーを一気に加速するデッキに対しては、「シンオウ神殿」によって対策することが必要となります。
相性のいいデッキ
サポートに頼らないデッキ
ザオボーの弱みのひとつは、使用するためにサポート権を消費してしまう点にあります。
そのため、三神デッキでの「グズマ&ハラ」、メロエッタターボデッキの「カミツレのきらめき」のように、サポートに展開や攻撃を依存しているデッキの場合、ザオボーを打つ余裕がなく、相性が悪いです。
一方で、特性でドローソースを補えるこくばバドレックスデッキやミュウVMAXデッキなど、サポートを使わずにデッキを回転させるデッキでは、デッキの展開と相手への妨害を両立させることができるため、ザオボーを打つ余裕を作り出すことができます。
このように、ザオボーを使う前提として、サポートに頼らずともデッキを回せるだけの余裕があることが必要です。
中速のデッキ
相手への妨害札を採用しない速攻型のデッキの場合、ザオボーで妨害するよりも展開を優先させた方が良い場合が多いです。
極論、特殊エネルギーを破壊せずとも、特殊エネルギーがついているポケモンをきぜつさせることができれば、相手の攻撃を阻止できるからです。
また、速攻型のデッキは展開速度に振り切っているため、サポートの権利をドロー・サーチに使うことも必要となります。
まとめ
・「メロエッタターボ」「レジドラゴVSTAR」「ウルトラネクロズマ」など、特殊エネルギーを手張りするデッキへの対策として有効
・「ルギアVSTAR」「レジギガス」など、一気にエネルギーを加速するデッキには刺さらない
・サポートに依存しない中速のデッキにおすすめ